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日本初の女性首相・高市早苗氏が就任してわずか数日。政界だけでなく、まさかの「音楽業界」までを巻き込む騒動が広がっている。発端は、人気シンガーソングライターの柴田淳氏によるSNS（X）での投稿だった。

◆柴田淳の投稿が大炎上「外交姿勢に違和感」

柴田淳氏は10月30日夜、自身のXアカウントで「高市首相の外交スタイルには不安を覚える」といった趣旨の投稿を行った。ファンの多くは「意見を言うのは自由」と支持を表明したが、一部のフォロワーや政治的立場の異なるユーザーからは批判が殺到。「音楽で勝負すべき」「政治を語るな」といったコメントが相次ぎ、投稿は瞬く間に炎上した。

柴田氏は翌日、「私は一人の表現者として意見を述べただけ」と釈明したが、所属レコード会社が「発言の意図を確認中」と声明を出したことで、騒動はさらに拡大。音楽関係者の間でも意見が割れた。

◆音楽業界トップが謝罪…しかし再び波紋

その後、一般社団法人日本音楽会場協会の理事長・阿部健太郎氏が「音楽業界としてご迷惑をおかけした」とコメントを発表。業界を代表する立場として謝罪したが、これが逆に「なぜ謝る？」「表現の自由を守るべきでは？」という反発を招いた。

ネット上では「ロックは権威に抗うもの」「音楽は政治から独立しているべき」「自由に意見を言うのがアーティストだ」といった議論が噴出。SNS上のハッシュタグ「#表現の自由」「#ロックの魂を守れ」はトレンド上位に浮上し、総エンゲージメントは17万件を超えた。

◆女性首相×女性アーティストの対立がジェンダー論争に

今回の騒動が複雑化している理由の一つが、「女性首相への女性からの批判」という構図だ。あるフェミニズム研究者は「女性が女性を批判すること自体は自由だが、それが社会的プレッシャーとして作用する危険もある」と指摘する。

一方でSNSでは「女性だから批判できないというのもおかしい」「性別ではなく政策を語るべき」という声も多く、ジェンダー論争の様相も呈している。政治的立場や価値観だけでなく、世代間・性別間の認識の違いも浮き彫りになった形だ。

◆「表現の自由」と「社会的責任」どこまで許される？

表現者が政治的意見を公にすることは、海外では当たり前の行為だ。アメリカではテイラー・スウィフトが政治発言をした際にファンが激論を交わし、それが民主主義の成熟を示す例として報じられた。しかし日本では、芸能人が政治を語ると「イメージに傷がつく」「仕事に影響する」といった風潮が根強い。

音楽ライターの山田紗英氏は次のように分析する。

「SNS時代の“発信の自由”は、同時に“反応の責任”を伴うようになりました。言葉が拡散するスピードが速く、アーティスト本人だけでなく所属事務所にもダメージが及ぶ。その一方で、声を上げないと社会が変わらないという葛藤もあるのです」

◆SNSが映す「分断社会」の鏡

今回の騒動は、単なる炎上事件ではなく、日本社会の分断を映し出した鏡でもある。高市首相の就任を機に、保守とリベラル、男性と女性、表現者と企業、それぞれの立場が交差し、SNSが“戦場”となった。

特にX上では、著名アーティストや音楽評論家の間でも「表現の自由を守れ」という声と「公人に対するリスペクトを忘れるな」という意見が真っ向から対立。結果として、音楽の本質や表現の意味をあらためて問い直す流れが生まれている。

◆まとめ：音楽と政治、切っても切れない時代へ

高市早苗首相就任をきっかけに巻き起こったこの騒動は、「アーティストがどこまで政治を語っていいのか」「自由と責任の線引きはどこか」という問いを社会に突きつけた。音楽は人の心を動かす力を持つ。だからこそ、その言葉の重みもまた大きい。

炎上から数日、柴田淳氏の投稿は削除されたが、コメント欄には今も「応援しています」「言いたいことを言っていい」といった声が寄せられている。時代が変われば、表現のあり方も変わる。今回の出来事は、日本の音楽業界にとって新しい時代の幕開けを告げる象徴的な出来事となった。