高市早苗首相の「台湾有事は存立危機事態になり得る」という国会発言に対し、中国が過敏に反応し、北京で行われた局長級協議。その終了後にカメラが捉えた“両手ポケット”の一場面は、単なる外交上の一コマでは終わらなかった。日本国内のネット上では、「態度悪すぎ」「威圧以外の何物でもない」「わざとカメラに見せつけている」と激しい反応が飛び交い、1日で何千件ものコメントが付く騒ぎに発展した。

◆ 中国高官の「両手ポケット」は何を意味するのか

外交において、姿勢・振る舞い・歩き方といった“非言語コミュニケーション”は極めて重要だ。
今回問題になったのは、中国外務省アジア局長が、協議終了後のカメラの前で両手をポケットに突っ込んだまま、日本側の局長へ強い口調で何かを言い放っていた点である。

これは単なる「性格の問題」や「癖」では済まされない。
世界的に見れば、外交現場で相手国代表に向かってポケットに手を入れる行為は、限りなく“非礼”に近いサインだ。
そのためネットでは、「わざと見下した態度を演出している」「中国の国内向けパフォーマンスだろう」という声が多く上がった。

● 国際的に見ても「怒り」「軽蔑」「敵対」などのシグナル

ボディランゲージの研究でも、ポケットハンズは「相手を尊重していない」シグナルとして扱われる。
強い姿勢を示したいとき、権力差を誇示したいとき、あるいは単なるパフォーマンスであっても、外交の場で行うのは通常避けられる。

だからこそ今回の映像は、日本国民に強烈な違和感を与えたのだ。

◆ ネット世論が荒れた理由は「怒り」だけではない

今回の炎上は単なるマナー問題ではない。
コメントを精査すると、多くの日本人が抱え込んでいた“潜在不安”が爆発したように見える。

● 日本の外交姿勢が“弱く見える”ことへの苛立ち

映像では、日本側の局長が通訳の声を聞くため顔を少し下に向けている。その一瞬の姿が、まるで「怒られている」かのように見えてしまったことが、ネットの怒りに拍車をかけた。

もちろん実際には外交官が感情的に怒られているわけではない。
だが、映像というのは残酷で、一瞬の構図が「日本は下に見られている」という印象を作り出してしまう。

● 日本人が掲げる“礼節の文化”が踏みにじられた感覚

日本の外交官は、立ち姿から表情まで非常に丁寧だ。
だからこそ中国側の“粗野な態度”に対して、文化的な怒りが噴出したとも言える。

◆ ネットの反応まとめ（表つき）

今回の炎上を整理すると、以下の5つの感情に分類できる。

◆ 私が映像を見て感じた“悔しさ”と“違和感”

映像を初めて見たとき、まず湧いたのは「なぜこの態度が公の場で許されるのか？」という疑問だった。
外交とは本来、水面下でいくら激論があろうと、カメラの前では双方がプロとして表情を整えるものだ。
しかし今回の中国高官の態度は、その前提を踏みにじるように見えた。

● “見下し”の演出としてのポケットハンズ

これはただの癖ではなく、あきらかに「強者のポーズ」だ。
中国国内に向けて、“日本に怒っている強硬姿勢”をアピールする意味合いが極めて強い。

相手国を尊重するという国際的ルールを破ったうえでパフォーマンスに利用した――
その点に私は強い悔しさを感じた。

● 日本側の姿勢が“弱く切り取られた”映像の残酷さ

日本側局長は通訳を聞くために顔を少し下げただけだろう。
それでも、画面に映るその姿は強烈に「対照的」だった。

外交は実態より“イメージ”が国益を左右する。
だからこそ、この一瞬の構図は痛烈だった。

◆ 日中関係の本質：緊張の“現在地”を映し出した瞬間

今回の事件は単なる“態度問題”ではなく、日中関係が抱える巨大な背景が透けて見える。

● 経済・軍事・政治、すべての領域で広がる日中の“差”

中国は経済規模、軍事力、政治的発信力の全てで日本を上回っている。
その“差”が、今回のような象徴的な映像として現れたとも言える。

● 台湾有事の影が、外交空間の空気を変えている

高市首相の発言は日本として避けて通れない論点だ。
しかし中国から見れば、それは核心に触れる“挑戦状”でもある。
だからこそ、あの強硬な態度は政治的メッセージとして極めて分かりやすい。

◆ まとめ：外交は水面下で進むが、映像は国の品格を露骨に映す

今回の「ポケット外交」は、単なる態度問題というより、日本人の心に潜んでいた不安と怒りを同時に刺激した。
映像における数秒の姿勢が、国際社会では“国の立場”として記憶される。
だからこそ外交官は、立ち姿ひとつにも最大限の配慮を払う。

中国高官の態度が象徴していたのは、
・力の差
・政治的演出
・国内向け強硬アピール
これらが交錯した複雑なメッセージだった。

そして日本の国民が抱いた怒りや違和感は、単に「礼儀を守れ」というものではない。
「日本は対等な外交ができているのか？」
その切実な問いに直面したからだ。

今回の映像は、私たち日本人にとって、国の外交姿勢を見つめ直す大きなきっかけとなるだろう。
映像は時に真実以上の“現実”を映す。
だからこそ、その一瞬一瞬が国の未来に影響を与えることを忘れてはならない。